なぜ僕は傘屋になったのか?(3)
きっかけは飲み屋でのほんの些細な会話から。
でも、それをきっかけに僕は、ようやくずっと探し求めていた答えを見つけた気がするのです。
「そもそもなぜオレは起業したのだろう?」
そう、起業の意味です。これまで僕が漠然とやりたいと想っていたこと。
いや、やりたいと切望し、憧れ続けてきたこと。それは・・・
モノづくりです。自らの想いを込めたモノをカタチにする。
そして、それを誰かに伝えたい。届けたい。
これだったんです。
でも、残念ながら、僕の本業である保険代理店という商売では、その夢は到底叶わないことでした。また、「モノづくり」といっても、具体的な商品アイデアがあったわけでもありません。けれど、今思えば5年間、ずっとそれを探し求めていた気がします。
保険会社や他の誰かの商品ではなく、僕の、僕の会社が作りだした商品を売る。
僕や僕の会社が想いを込めたモノをカタチにして、それを買ってもらったお客さんに喜んでもらう。
このシンプルな「商い」がどうしてもやりたかった。
また、それだけじゃありません。
やりたいことはもうひとつあります。「ウソつけ!」と言われてしまいそうですけど、僕は真剣にそう考えています。
社会貢献です。
直接的に社会に貢献できる会社。僕は自分の会社をそんな会社にしたい。
こんな風に思うのは、僕の偽善や虚栄、功名心もあるのかもしれません。でも、それでもいい。他人にどう思われていようがそれもそれでいい。
だから、四の五の言わず、やってみます。傘作りを通してそれを・・・。
どうして人はモノを捨ててしまうのか?
実は、わが国の傘の消費量は凄まじいものがあります。
年間消費量はざっと1億3千万本。毎年、日本人の1人が1本の傘を購入している計算です。
このうちビニール傘が大半を占めていて、そのほとんどが使い捨てにされています。ほら、ひょっとすると、あなたの家の玄関にも使わなくなったビニール傘が置いてあったりしませんか?
家や会社にある不要になったビニール傘。コンビ二に置き去りにされたビニール傘。
ゴミ収集場所に放置された壊れたビニール傘・・・etc
その行く末はいずれも大量のゴミ、ゴミ、ゴミです。こうしたゴミが環境にとって好ましくないのは明らかでしょう。
100円、200円で買うことのできるビニール傘。
ある意味、これはこれで画期的な発明です。急に降りだした雨をしのぐのに、これほど便利で助かるアイテムはありません。けれども蓋を開けてみると、その低廉な値段ゆえの手軽さから、ecoの時代とは逆行して、今やすっかり「使い捨て文化」の代名詞になってしまいました。
どうしてビニール傘は捨てられるのでしょう?
いや、ビニール傘だけじゃありません。どうして私たちはモノを簡単に捨ててしまうのでしょう?
その答えは、モノへの「愛着」や「思い入れ」がないからだと、僕は思うのです。何の愛着も、思い入れもないから簡単に捨ててしまう。これが原因ではないでしょうか。
では、どうしたらモノに愛着や思い入れを持てるようになるのでしょう?
僕は、その1つの答えが「カスタマイズ」にある、と仮説を立てました。ケイタイのデコレーションしかり。クルマの改造パーツしかり。最近ですと、「バドリックス」なるイヤホン専用アクセサリーなんかもそう。このようなアイテムで自ら手を加えたモノには、誰もが愛着や思い入れを持っているはずです。
僕自身に照らし合わせてみても、やはり自分で手を加えたモノには、少なからず愛着や思い入れを感じてしまいます。
人は愛着や思い入れがあればそう簡単にモノを捨てない。
モノが捨てられなければ、つまり、ひとつのモノをずっと長く使い続ければ、どうなるのでしょう?
必然的に、ゴミは減っていくはずです。
リサイクルも大切ですが、1つのモノをずっと長く使い続けてもらう。いつまでも、いつまでも、です。そして、これこそがゴミを大幅に削減する本当のeco発想ではないでしょうか。
僕はこのeco発想を傘で実現したいと考えました。
(続く)
By ダイチク ビル, 2009 年 6 月 23 日 @ 3:46 PM
先日ある店で食事をしていたら、隣のテーブルの若い女性がこう言ってました。「もう梅雨入りしたね。でも憂鬱にならないで、せっかくだから梅雨を楽しまなきゃね。おしゃれで楽しもう!」多くの人は口には出さないけれど、そういったニーズはあると思います。楽しむという価値を売り、さらに社会にも貢献すると言うことに非常に感銘を受けました。これからも頑張ってください!
By 早川洋平@人生を変える一冊, 2009 年 6 月 23 日 @ 6:43 PM
田中さん、ブログ拝見して驚きました!
傘ですか!!
やはり目の付け所が違いますね。
これからもブログ拝見します。
影ながら応援させていただきますね!
By tanaka, 2009 年 6 月 24 日 @ 5:34 AM
> ダイチクビルさん
素晴らしいコメント。
どうもありがとうございます!
勇気をもらいました。
> 早川さん
コメントどうもです!
今後ともよろしく~
たなか